大手町郵便局 あゆみTHE OTEMACHI POST — A CENTURY 1924–2024
1924大正13年

年代記 | CHRONICLE

1924 → 2024。
ある郵便局の、百年。

大手町郵便局は、関東大震災の翌年、焼け残った街区の角に開いた。手紙と葉書、為替だけを扱う木造二階の小さな局だった。──この頁は、開局から今日までの百年を、下へ向かってたどる。スクロールした分だけ、時間が進む。

下へ = 時間が進む

大正期の木造二階建て郵便局舎。瓦屋根に格子窓、軒下に古い看板が掛かる。セピア調の古写真。
木造二階の初代局舎(1924年ごろ)

大正 — 昭和戦前

1924 – 1944

木の局舎から、はじまる。

灯りは裸電球ひとつ。窓口は一つ。町の人は葉書を出しに、そして為替を組みにここへ来た。局員は数えるほどだった。

  1. 1924

    大正13年

    大手町郵便局、開局。

    震災の翌年、焼け残った角地に木造二階で開く。扱うのは手紙・葉書・為替のみ。集配は徒歩、区域は三町内に限られた。

    0名 / 開局時の局員

  2. 1929

    昭和4年

    二階に、電話交換台。

    局の二階に交換台を据え、町の電話を人の手でつなぐ。夜勤の交換手が、遠くの声を細い線で結んだ。

  3. 1937

    昭和12年

    集配区、ひろがる。

    配達区域が三つの町に拡大。配達は徒歩から自転車へ切り替わり、朝夕の二便が定着した。

    0名 / 配達員

  4. 1943

    昭和18年

    戦時、窓口を縮小。

    物資統制のなか、扱いの中心は貯金と軍事郵便へ。若い局員は相次いで召集され、局は女性の手で回された。

昭和期、制帽・詰襟の配達員が郵便行李を積んだ自転車にまたがり、商店の並ぶ土の道に立つ白黒写真。
自転車で配達に出る局員(1950年代)

昭和 — 戦後復興

1945 – 1965

焼けた台帳を、書き起こす。

空襲で帳簿の多くを失った。局員は記憶と控えを頼りに貯金台帳を復元し、自転車を漕いで配達を再開した。街とともに、局も立ち直っていく。

  1. 1948

    昭和23年

    郵政、再び動きだす。

    焼け残った控えから台帳を書き起こし、自転車配達を本格再開。行李いっぱいの復員葉書が、家族のもとへ届いた。

    0台 / 配達用の自転車

  2. 1953

    昭和28年

    窓口に、朝の行列。

    為替と貯金を求める人で、開局前から列ができた。手狭になった局舎を初めて建て替え、窓口を増やす。

  3. 1961

    昭和36年

    はじめての、集配車。

    三輪の集配車を一台導入。坂の上に増えた団地までまとめて運べるようになり、配達の輪が一段と広がった。

昭和期の郵便局内。大理石調のカウンターの内側で制服の女性職員が事務をとり、壁の丸時計と掲示の下で客が手続きを待つ、色あせた写真。
五番までならんだ窓口(1970年代)

昭和 — 高度成長

1966 – 1988

番号で、街をさばく。

郵便物は年々ふくらみ、仕分けの仕組みが変わった。鉄筋の新局舎に窓口が並び、待合には長椅子。年の瀬になると、局は臨時の人手で膨れ上がった。

  1. 1968

    昭和43年

    郵便番号、はじまる。

    三桁の番号で仕分けが一変。区分棚に番号札が並び、宛名書きに「〒」を添える暮らしが根づいていく。

  2. 1971

    昭和46年

    鉄筋の、新局舎へ。

    二度目の建て替え。冷暖房の入った窓口は五番まで、待合に長椅子が置かれた。局は「町の役所」のような顔になる。

    0番 / ならんだ窓口

  3. 1979

    昭和54年

    年賀、過去最多。

    師走の局は臨時アルバイトで満員に。輪ゴムで束ねた葉書の山が、元日の朝いっせいに街へ出ていった。

    0万通 / この年の年賀取扱

  4. 1984

    昭和59年

    現金自動機を、設置。

    貯金窓口の脇に、はじめてのATM。通帳と印鑑の列が少しずつ、機械の前の列へと置きかわっていく。

現代の郵便局の外観。白いタイル張りの局舎に赤い庇と自動ドア、脇に二口の赤いポストが立つ、晴天の写真。
いまの局舎とポスト(2020年代)

平成 — 令和

1989 – 2024

手紙が減り、荷物が増えた。

通販の箱が手紙を追い越し、看板も制服も変わった。手続きの多くは手のひらの画面へ移る。それでも──角の赤いポストは、開局のときと同じ場所に立ち続けている。

  1. 1998

    平成10年

    荷物が、主役に。

    通信販売の箱が手紙の量を追い越す。集配はかばんから台車とワゴンへ。局の裏手に、仕分けの棚が増設された。

  2. 2007

    平成19年

    民営化。

    看板と制服が変わり、扱う商品も増えた。組織は変わっても、窓口に立つ顔ぶれと、角の赤いポストはそのまま残った。

  3. 2016

    平成28年

    再配達を、アプリで。

    不在票にコードが載り、受け取りの日時指定が手のひらに。人と荷物のすれ違いを、通知が少しずつ埋めていく。

2024

令和6年 / 開局100年

現在、そしてこれから。

紙の手紙は減り、荷物とデジタル通知が増えた。木造の局舎は三度建て替わり、局員も何代も入れ替わった。それでも、角の赤いポストは百年前と同じ場所に立っている。次の百年、この角には何が届くだろう。

延べ取扱通信物
0億通
配達の総距離
地球 0周ぶん
在籍した局員
のべ 0
局舎の建て替え
0
角の赤いポスト
変わらず 1

——大手町郵便局のあゆみ、次の一年へ。